Archive for 8月 2012

スクールソーシャルワーカーとは  ぶどうの会 No.51より


スクールソーシャルワーカーは学校においてソーシャルワークを実践する人で、基本的な姿勢は次の「ソーシャルワーク」の定義にあります。
「ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を勧め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと開放を促していく。ソーシャルワークは人間の行動と社会システムに関する理論を利用して人々がその環境と相互に影響しあう接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。(IFSW,2000,7)」(IFSW:国際ソーシャルワーカー連盟)
ソーシャルワーカーは人がより良く生きること(ただ単に困難に直面している人を保護的ンい支援するだけではなく、より良い状態を維持できること)をめざし、社会変革を進めていく人です。そしてまた、「人権」や「社会正義」という原理を大切に活動するのです。
スクールソーシャルワーカーにとっての「人権」とは「子どもの権利条約」や児童福祉法の第一条から第三条にある児童福祉の原理であり、権利が侵害された状況にある場合は速やかにその状況を改善し、権利を保障していくことが役割です。また、「社会正義」は「社会のすべてのメンバーが同じ基本的権利、保護、機会、義務、社会的恩恵を得ている理想的な状態」(ベーカー:Baker.R.L.)というようにすべての子どもが平等にその人らしく生活できるよう不平等な環境を改善するために社会の制度や教育の仕組みに働きかける役割もスクールソーシャルワーカーは持っているということです。

ぶどうの会 No.51 子どもの権利のために『支える』『つなぐ』『つくる』スクールソーシャルワーカーという仕事 屋マン試験教育委員会 富士東部教育事務所 スクールソーシャルワーカー 渡辺実子

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北星学園余市高等学校で教員をしています。
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