子ども・若者支援地域ネットワーク形成のための研修会で講演。



静岡県立大学公認のサークル、若者エンパワメント委員会(以下、YEC)が主催する子ども・若者支援地域ネットワーク形成のための研修会の講師として依頼を受けて静岡県沼津市にお邪魔してきた。

YECとは…講演依頼を受けた担当者からのメールを抜粋。
YECは社会の流れに委ねてしまっている若者に対して、若者自身の「可能性」を発揮する機会や場づくりの手助けをするために発足された静岡県立大学公認サークルです。
http://ameblo.jp/youth-empowerment/
このYECは内閣府の講演事業の委託を受けたのだとか。
この講演会は、平成25年「子ども・若者支援地域ネットワーク形成のための研修会事業」という内閣府の研修会事業です。社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者への総合的な支援を、社会全体で重層的に実施していく必要があり、研修の実施を通じて、子ども・若者支援に関わる様々な関係者の資質向上を図り、子ども・若者地域支援ネットワークの形成に資することを目的としています。
その中で「学校教育における社会参加〜シティズンシップ教育と学校民主主義」というテーマでお話をさせていただいた。まぁ、話したことは、北星余市における生徒会執行部の思いと動き、それを学校としてどう考えているのか…といういつものお話。

学校という場での経験が、子供たちにその後の社会生活で大きな影響を及ぼすとするならば、その学校生活創りというものも、もちろん、社会の一構成員としての在り方に大きく影響することになる。これは、子供たちが社会に出たときに、どういう社会を創っていくかについて、非常に重要な要素である。YECの団体説明にもあるように「社会の流れに委ねてしまっている若者」は多い。自らが自立し、社会に参画し、住み良い社会を作り上げて行くのだということを学ぶことは、学校の存在意義の一つであると思う。

北星余市では、基本的に学校行事や日常の取組を生徒たちに取り組ませている。ひとつひとつの行事も、生徒会執行部が夜遅くまで残り議論をして、原案を立てる。それをクラス役員の集まる評議員会におろして、各クラスで議論して、意見集約をし成案とする。そして、ひとつの行事に向かって取組を始める。私たち教員は小間使いであって、時折、考える材料を適度にさらっと提供する程度の役割である。「先生、これってどうなの?」なんて質問に「ん?わからん、執行部に聞け」ということもしばしば(もちろん、臨機応変に)。だって、先生たちの取組じゃないもん。「わからないことをなんでも先生に聞くんじゃない」「自分たちで直接主催者に聞きなさい」「自分たちで考えなさい」そんな感じ。失敗?多いに結構。問題?それまた結構。教師にとっては面倒くさいことだけれど、そういう出来事が起これば、またみんなで考えればいいじゃないか。そうやって社会は創られていく。

他の高校の生徒会執行部と合同で行事を進めるときに、生徒が先生の顔色をうかがいながら発言をしていたり、生徒同士の話し合いでまとまりかけていたものを、教員の一言でひっくり返し教員がまとめてしまうという場面をみかけるが、そんなことは「社会の流れに委ねてしまっている若者」を生むだけだよな…と思う。

そんなことを思いながら、北星余市の生徒会執行部の動き、それを受けた各クラス、そしてそのクラスの中での各生徒たちの動きについて、話をさせてもらった。

しかし、この取組を大学生が行っていることが僕はすごいと思う。つい、こういう大学生を見ると、自分の大学時代が少し恥ずかしく思うくらい。実直に、でも楽しみながら、こういうことについて、真剣に取り組んでいる。いい刺激をうけた。

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北星学園余市高等学校で教員をしています。
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