【新国民的歌謡曲の第1位】世界に一つだけの花/SMAPさん

今日は学園祭の代休ということで、
学校は休校。
午前中、入試の書類の整理に学校までいき
夕方に帰宅。


帰宅してから、PCの画面に向かいながら、
学校紹介DVDのことなんぞを
もじもじと調べながらいろいろと考えていた。


別に集中してやる作業でもないので、
TVをつけつつ、調べもの。
どうやら今日のミュージック・ステーションは、
秋の特番で3時間スペシャルらしい。
「新国民的歌謡曲BEST100」なんて企画。


どの曲もいい曲だなぁ、、、
なんて思いながら70位あたりから、
耳がダンボになって、意識はTV8割(苦笑)。
個人的には、ゆずさんの「栄光の懸け橋」は外せないのだが、
僕が見始めた後には、入ってなかったかな。


それで、新国民的歌謡曲の第1位は、
SMAPさんの「世界に一つだけの花」で、予想的中。
サザン・オール・スターズさんの「TSUNAMI」か、それかって感じでした。
個人的には「栄光の懸け橋」が第1位ですけど。


「世界に一つだけの花」 確かにいい歌ですよね。
花屋の店先に並んだいろんな花と人間を対比させている歌。


“この中で誰が一番だなんて 争うこともしないで
 バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている”
“それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる?
 一人一人違うのにその中で 一番になりたがる”
と歌詞が出てきて、
僕らは一人ひとり違う種を持つ世界でたった一つの花であると
歌詞が続いて行くわけです。


この競争社会において、争い、勝ち抜くことが
気がつけば生きがいになっている人や、
それに負けてしまった人。
そんな社会の中で、他人と自分を比べて、
自らの劣った部分に目がいき、気が引けてしまう人。
過剰にそういうところに陥ってしまっている人が多い
今の世情を反映しているのでしょうか。
自分の身に置き換えたときに、チクリと来る部分、
そして、勇気を与えてもらえる部分が多々あります。


しかし、僕が特にすばらしいと思っているのは
実は「個性の活かし方」のヒントが、この歌詞の中に隠されている!
と感じたからなのです。




この歌がはやりだしたころ、
一見「あなたはあなたらしく、そのままでいいんだよ」
という歌詞にも読み取れたのですが、
なんだか、それじゃ違和感を感じて。
うーん、うーん、って唸って考えていたら、
そんなことをふと歌詞から感じたわけです。


「あなたらしい」とは何か。
どういう状態のことを言うのか。
何物からも影響を受けない状態が
決してあなたらしいということではないわけでして。
そして「そのままでいい」っていっても、
未熟なままの自分をそのままでいいなんて思えませんし、
他人に対しても、より良い方向に成長してほしいという思いがあるので、
その言葉もなんだか違う気がするんです。




うーんうーん、唸りながら、頭の中に浮かんできたのは、
僕という人間は、生まれてからたくさんの人(花)に出会って、
その人(花)からいろいろと教えてもらったこともあるし、
自分が勝手に、その人(花)に触発されて
影響を受けたこともあるしなぁ…
ということ。


そして、その人(花)の影響を受けて、
真黒に染まった時期もあったけど、
また別の人(花)の影響を受けて、
やっと今の花を咲かせている自分がいるんだなぁ…
ということ。


いろんな人(花)がいるバケツの中に
自ら入ってみて、
こんな人(花)があるんだ、
あんな人(花)があるんだ、
って気がついた。
バケツに入る前は、
雑草にしか見えない人(花)だったけれど、
色とりどりの人(花)の中に入ったら、
とても素敵に栄える人(花)もあるんだ。
と感じることは、身の回りによくあるなぁ…
ということ。


あの人(花)は、可憐なバラのようだ。
今の自分にはそんな可憐さを出すことはできないけど、
いつかそうなってみたいって思うことだってありだし、
じゃ、今の自分は可憐さを出すことはできないけれど、
その可憐なバラを引き立てることならできる。
もしくは、可憐な中にスズランのようなかわいらしさをだせるでもいい。
僕はそうやって生きているな…
ということです。




そうやって、比べる(優劣をつけるという意味で)必要もないし、
競う必要もないし、したがって焦る必要もない。


僕は、今、一生懸命生きている中で、
自分という人間に誇りを持ちつつ、
さまざまな人(花)の中にいることで、
自分はどういう人(花)なのかを知り、
どうやって自分という花を活かしていけばいいのか、
そして、今後、どのような人(花)になりたいのかを考えて生きていて、
それとすごくオーバーラップして、
それって、個性を育てるということなんじゃないのか、
この「世界に一つだけの花」というのは、
そういうことなのか!
とこの詞から感じたときに、
僕はこの歌の味を覚えたわけです。




“頑張って咲いた花はどれも きれいだから仕方ないね”
“そうさ僕らは 世界にひとつだけの花
 一人一人違う種を持つ
 その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい”

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北星学園余市高等学校で教員をしています。
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