ステンドグラス風の装飾を職員室の窓に。


クリスマス時期になると、教会にあるステンドグラスは、また普段とは違う魂の存在を放つように感じられる。寒々しい気候に彩りを与え、暖かみを感じさせてくれる。

北星余市高校は、キリスト教の学校である。私はクリスチャンではないけれど、14年キリスト教主義の学校に勤めていて、人を包み込む柔らかく温かなキリスト教の存在を偉大なものと感じるようになった。

商業的なクリスマスの雰囲気も嫌いじゃないけれど、それとはまた違った、キリストの生誕を祝い、それを機に人とのつながり、温かさを振り返る、そういう空気がある。せっかくだから子どもたちに、少しでも感じてほしいと長年思っていた。ひとつの文化を3年間の高校生活で味わうことは、きっと小さいけれど一つの経験なのだろうと思う。



幸い、今年から総合講座の講師として、卒業生の親御さんであり、牧師の奥さんの方が引き受けて下さった。北星余市らしさもよくわかってくれていて、色々と聖書科の先生と相談をしながら、「まずは、動こう」とやってみた。

デザイン画を卒業生の親御さんとそういうことに長けている一人の生徒に書いてもらった。模造紙大の図柄。それを聖書科の授業を使って、一人一枚B4くらいの大きさに分けて、カッターで白い部分をくりぬく。不器用な子も器用な子もいる。



初めての取組、多忙な業務の中、気がつけば2学期の終業式が目の前に迫っていた。くりぬかれた図柄まではできていたが、今度はラミネート加工して、一枚の絵に統合して、色を塗る作業が残っていた。どう考えても日程的に厳しい様相だったが、せっかくの取組、図柄を書いてくれた二人、授業で一生懸命くりぬいた生徒たちの顔を思い浮かべて、なんとしてでもやらなければ!と、生徒・教員に声をかけて、なんとかできあがった。

やればできるものだ。私一人では絶対になし得なかった。一緒になって自分のことそっちのけでやってくれる人、まずは自分のことをやってから手伝ってくれる人、ちょっとだけの隙間にちょっとだけ手伝ってくれる人、気にかけて声をかけてくれる人、いろんな人がいた。どの人にも感謝。一人一人の力は小さいけれど、みんながほんの少しずつ手伝ってくれたことで、あっという間にできあがった。



今年はまず職員室。この作品は、ずっと使えたらいいな…と思って、ラミネート加工している。代々、その年その年にいる生徒たち、教員たちの思いと思い出のつまった作品を大切にしていきたい。そして、来年、再来年も続けていって、職員室の窓だけでなく、教室、会議室の窓、玄関フード、クリスマスの時期になったら、学校中の窓という窓が、不器用で不細工だけど、みんなの手で作った色とりどりのぬくもりに包まれる日を夢見ている。



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北星学園余市高等学校で教員をしています。
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