【いじめを通じて】
その経験を人生の糧にする、そこから何を学ばせるか

「いじめをなくそう」という取り組みは大切なことだと思います。大切だと思いますけど、いじめをこの世からすべてなくすことは不可能だとも思います。また、いじめを通じて何を学ばせるかが教育現場においては重要なことだと思ったりもします。決していじめを肯定しているわけじゃありません。そして「いじめをなくそう!」と声高らかに、そういう取り組みをしている人を否定しているわけでもない。

いじめなんて、ない方がいいに決まっているけど、いつの時代も、それは子供の世界のみならず大人の世界においても、また人間以外の生物においても、いじめ、またはそれに類するものは存在するのが現実です。問題はその子供の世界におけるいじめに対して我々大人がどう向き合うのかということもまた、「なくそう」とする運動と同じくらい、またはそれ以上に大切な事柄なんじゃないかなと思うわけです。



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アンテナを高くし、いじめを最小限の時点で食い止める。そして、その当事者同士の指導を徹底する。これがうまくなされれば、子供たちは大きく成長する。そういう経験もまた、ときに子供たちにとって大切な事柄なのだと思うわけです。

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北星学園余市高等学校で教員をしています。
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