第93回教師研修会


社会とコミュニティは違う。
社会…知らない人と関わる。そこで集団としてまとまって生きていく。
コミュニティ(共同体)…知っている人とうまくやっていく能力。村社会。

社会性の発達
1.直接他者の認識
2.直接的自己の認識
3.関係性の認識…小学校3年生ころにクリアすべき課題。
4.抽象性の認識←これがないと描くことが出来ない。

不登校を歴史的にみると、いろいろな呼び方があった。
不登校は子どもたちの自発的な拒否反応だという説がかなり世の中をにぎわした。
学校というのは抑圧された組織なんだという認識。
そういう、何かに対して抑圧されているという恨みから出発しているのはだめだなと思う。
ルサンチマンはスマートじゃない気がする。
勉強という点(大学に入学する)という点では、学校に行かなくてもよいだろう。
しかし、近代社会に入って、近代教育において生まれた学校というのはどのような装置なのかを考えた時、それは社会で生きていくために必要な力を育む場所と大きくとらえることが出来る。農山村だけで生きていく世界ではない。

通信制高校では、社会性の発達というところまでの道筋が描けない。
うまくいかないはずの関わりのない人とのつながりを持つ力を育むことが出来ない。

第1人称の表現は関係性の認識の表れ。僕、私、俺、わたくし、わしなど。


福岡県立大学 附属研究所長
看護学部教授 松浦賢長先生

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北星学園余市高等学校で教員をしています。
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